レッスン2: 発 音
ケチュア語で、ケチュア語のことを「runa simi(人の口)」といいます。言語はいずれももとは話し言葉です。実際の発音がとても重要です。なお、英語でも母国語のことを、「mother tongue」といいますね。母の舌、やっぱり発音が重要なことを物語っています。
ケチュア語は、英語のように、たとえば「a」という文字が、「father」,「tape」,「ancle」のようにたくさんの音をあらわしているということはありません。一文字一音です。これは日本語のひらがなやカタカナと同じです。このような表記法を発明したといえばそれだけですが。つまり、英語の表記法は洗練されていないということになります。日本語も「いう(言う)」と書いて「ゆう」と読ませたり、現在では同じ音になった「お」と「を」に別のひらがなを当てていたりと、一部洗練されていないところがあります。
発音するのが難しい音があります。日本語には存在しない音だから、日本人には難しいのです。順番に子音を見ていきましょう。
- ch, ch', chh ・・・ 単なる「ch」は「チャチィチュチェチョ」の音です。これに「'」がつくと、のど(声門)をキュッと閉じて発する音(声門音:glottalization)になります。カタカナで無理に書くと、「ch'a」なら「チャッ」という感じです。また「h」がつくと、のどを開けたまま息を漏らすような音(気息音:aspiration)になります。「chha」なら「チャハ」という感じです。
cha 「チャ」、 ch'a 「チャッ」、 chha 「チャハ」
- j ・・・ 日本語の「ハ行」です。のどの奥をこするようなスペイン語の「j」の音でありません。
- k, k', kh ・・・ これも先ほどの「ch, ch', chh」と同じです。
ka 「カ」、 k'a 「カッ」、 kha 「カハ」
- l ・・・ 英語の「l(エル)」とほとんど同じです。
- ll ・・・ 「リャ」、「リィ」、「リュ」、「リョ」という感じです。もちろん、舌先は上の前歯の上の方に当てます。
- ñ ・・・ 「ニャ」、「ニュ」、「ニョ」。
- p, p', ph ・・・ これも「ch, ch', chh」と同じです。
pa 「パ」、 p'a 「パッ」、 pha 「パハ」
- q, q', qh ・・・ これも「ch, ch', chhq」は「k」と異なり、のどをこするようにして発音します。からんだ痰を「カーッ」と出すように...
qa 「クア」、 q'a 「クアッ」、 qha 「クアハ」
- r ・・・ 英語の「r」とほとんど同じです。
- s ・・・ 日本語の「s」とほとんど同じです。濁りません。
- sh ・・・ 日本語の「シャ」「シ」「シュ」...とほとんど同じです。
- t, t', th ・・・ これも「ch, ch', chh」と同じです。
ta 「タ」、 t'a 「タッ」、 tha 「タハ」
- w ・・・ ワ行。
- y ・・・ ヤ行。ただし、語尾の「y」は「i」とほぼ同じ、母音扱い。